令和2年、あけましておめでとうございます。

2020 年 01月 01日

 令和はじめてのお正月を迎えました。(昨年のお正月は、まだ平成だったので・・・。)

 大晦日の暴風も収まり、少し曇り空ながら、静かなお正月です。

 毎年、玄関に、賀正だるまを飾っているのですが、そのお話をしましょう。

 写真のだるまさんの掛け軸は、圓福寺の歴代住職でもあり、その後神戸祥福寺の師家になられた象匏(ぞうほう)和尚が染筆されたものです。

 私が圓福寺に入寺したばかりのころ、寺史を調べに、以前圓福寺があった東金市家之子に行ったとき、旧圓福寺のお隣の岩崎さんに声をかけていただき、いろいろとお話を聞くことができました。その折、象匏さんのお題目があるとのこと。でも、自分の家は日蓮宗だから、そのお題目をあげるということになりました。お題目?と思いつつ、居間にかけてくださった掛け軸を拝見すると、達磨さんを描いた墨跡でした。

 「壽山萬丈高、福海千尋深」と書かれた最後に、「天保七年元旦」と書いてあります。岩崎さんが、「象匏さん」と親しみを込めて言うぐらいですから、おそらく普段から親しくお付き合いがあったのだろうと思います。そして、お正月には岩崎さんのお宅に招かれておもてなしを受けたのではないでしょうか。そのお礼にと、達磨さんを描かれてお渡しになったのだろうと思っています。それが、天保七年。その後に、象匏和尚は神戸祥福寺に出られるのですから、お別れの意味もあったことは想像に難くありません。

 圓福寺に縁の深いこの軸を、毎年正月に玄関に飾らせていただいております。

 写真を見て気づかれるかと思いますが、達磨さんの右側が波打つように欠損しています。

 これは平成27年の火事のときに焼損した部分です。建物は全焼でしたから、掛け軸を収納していた場所も火が回り、たくさんの掛け軸は焼失してしまいましたが、不思議なことに象匏和尚の達磨さんの軸だけは焼失を免れました。ただし、巻いてあった状態で火にあたったので、このように波打つように欠損してしまいました。掛け軸を収納していた場所は、お隣の家と一番近いところで類焼してもおかしくなかったことを思うと、象匏さんの達磨さんが延焼を食い止めてくれたに違いないと思っています。そんなことから、この達磨さんは「火伏の達磨さん」だと、象匏さんに感謝しながら令和2年のお正月を迎えさせていただきました。

 本年は人災・天災に見舞われずに、平穏な一年であることを願っております。