市原別院日記

初蛙(3/29)

2017年04月03日

圓福寺で毎週木曜日の午後6時から行っていた坐禅会を、市原別院で継続しているのですが(伽藍再建までの間)、自然に恵まれた場所ですので、季節を感じながら坐ることができます。

 さて、3月最後の坐禅会。周囲の田んぼはそろそろ水も張られ、早生の稲の田植えも間近なようです。田んぼに水が入ると、そろそろにぎやかになるなあと思っていたら、今年最初の蛙の声が聞こえてきました。まだまだ遠慮がちな鳴き声です。

 仙厓さんの描かれた蛙の絵に、「坐禅して人か佛になるならハ」という賛が添えられています。遠慮がちな蛙の声は、どことなく寝ぼけたような、とぼけたような声で、この賛のイメージとダブってきます。

 ところが、蛙の声の最盛期ともなると、蝉しぐれ、しかも関西のクマゼミの蝉しぐれに負けないぐらいの大合唱となります。こうなると、蛙の声の中で坐禅をしているのか、自分も蛙になってしまったのか、毛穴からも蛙の大合唱が体の中に入ってくるといった感じです。

 そこで、「坐禅して人が蛙になるならハ」、釈迦にも達磨にもなれそうな・・・。

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