圓福寺日記

看板袋

2023 年 5月 11日

 

こんにちは

左の写真は「看板袋」というものです。

書いてあるのは「山城 八幡 圓福僧堂」

私、宗耕がおりました修行道場です。

修行中に外に出る際は

この看板袋を首から下げておりました。

訳あって現在、

圓福寺に一時的に保管してます。

 

主に托鉢で布施を乞うときに使っておりました。

臨済宗の修行中の僧侶の総称を

「雲水」といいます。

それは雲や水のようにとどまることなく、

自由な生きざまを表しています。

同時に雲や水ですので各々に決まった名前がなく、

「我」というものを取り払った姿でもあります。

 

この看板袋を下げることによって、

個人でなく、

単なる「圓福僧堂の雲水の一部」

として認識してもらうものです。

そこに「誰々さん」とか、

「新到さん・古参さん」というものはありません。

そのように「俺様」などの「我」を取り払う工夫があります。

 

この看板袋を首から下げると

いまだに身が引き締まります。

お米や果物や飲み物などを入れていただいた、

ありがたい記憶や、

首が千切れるほど重かった記憶や、

夏の灼熱や冬の凍える中での

托鉢の記憶も蘇ります。

 

たくさんの記憶が詰まっている貴重な存在です。

下部に雲水時代の写真も付記いたします。

 

合掌

(C) 2020 臨済宗妙心寺派 大廣山 圓福寺