圓福寺日記

米炊きは火加減が命(R5 5/12)

2023 年 5月 12日

こんにちは

今日は別院にて幼稚園の皆さんと、

釜での米炊きをしました。

 

修行道場で何度かだけの経験しかないので、

正直うまく炊ける気がしませんでした。

記憶の中では水加減と火加減が命という記憶。

 

水はコメの表面に手を当てて、

手の甲が半分だけ隠れるくらい、

 

火は点火する前に薪を緻密に組んでおいて、

点火と同時に最大火力、

ぱちぱちと音がしたら薪を抜く。

 

この程度の知識でした。

二釜焚いて、

一つは半分が生米に仕上がり、

もう一つは辛うじて成功でした。

園児のみんながたくさんの小枝を集めてくれたので、

火の付きがよくて、何とか焚くことができました。

 

両方成功とはいかなかったのは悔やまれますが、

やはり釜で炊いたご飯は格別のものでした。

 

普段はボタンひとつでご飯が炊けてしまいます。

しかし、「お米を炊く」ということ一つに、

どれだけの労力が掛かるかを身をもって体験します。

薪や芝を集める。水加減を調整する。火加減に最新の注意を払う。息を吹きかける。音に耳を澄ます。手をやけどする。目に煙が染みる。煙でむせる。などなど、

 

昨今の生活では便利になりすぎていて、

なんでもかんでも当たり前になり、

労力というものが見えなくなっております。

今一度、ご飯一つでもどれだけの労力の上に、

我々の食卓の上に並べられているのか、

ここで一つ考えてみる必要があります。

 

「いただきます」のついでに、

お米を用意した先生方、

芝を集めた園児のみんな、

煙で涙目になった坊主。

皆さんのことを一瞬でも思い出していただければと思いました。

 

合掌

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