寺日記

木曜坐禅会、市原別院での最後の日

2018 年 12月 14日

 昨晩の木曜坐禅会をもって、火災後に市原別院で開催しておりました木曜坐禅会は最後となりました。

 来週12月20日(木)からは、穴川の新本堂にて開催いたします。

 昨日までの3年9か月にわたり、市原別院での木曜坐禅会を余儀なくされたわけですが、

火災後の途方に暮れた中、一回だけ休会にして、すぐさま市原別院で坐禅会を再開できたのはなによりでした。

 それ以来、古参の居士さんたちだけでしたが、車に乗り合わせて市原まで通ってきて坐禅を続けました。

 毎週木曜日に別院の方から鐘の音や木魚の音が聞こえたらしく、村の人が何か変なことをやっているのではと交番に通報し、

おまわりさんがやってきたこともありました。

 春は桜が咲く中、カエルの大合唱に包まれ、夏はセミ時雨の中で大汗をかいて、坐禅を終えて外に出た時に見た満点の星。

 秋は耳鳴りのような虫の声が鳴きやんだ後の静寂の中、冬は開け放たれた窓から吹き込んでくる寒風に歯を食いしばって坐りました。

 それも振り返ればあっという間の気がするなあ、とは老居士さんの言葉でした。

 自然に恵まれた環境からは去りがたいのですが、「安禅は必ずしも山水を用いず」というように、車が行き来する市井の中でこそ得るものもありますし、

なにより「随処に主となる」ですから、どこで坐ろうとも「立処皆真なり」です。

 これからも毎週木曜日には、「平常無事」に坐禅会を開催してまいります。

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