現場だより

鉄骨・木材の検査

2018年01月18日

建物に使われる鉄骨と木材の検査に立ち会いました。

鉄骨は、松浦建設さんの地元、石川県能美郡川北町の「竹内鉄工」さん。木材は、当然「松浦建設」さん。ということで、生まれて初めて北陸新幹線に乗って金沢に行き、乗り換えて小松まで行きました。

数日前にニュースをにぎわせていた北陸の豪雪がしっかりと残っている中、鉄工所の中は圓福寺で使われる鉄骨だらけです。これでも、書院・庫裏部分の鉄骨だけですとの説明に、建物のボリュームが現実味を帯びてきました。

検査のほうは、竹内鉄工さんの社内検査報告と、第三者の検査機関「北陸検査」さんの検査報告、それから、実物を確認・・・、と言っても、菅野企画設計の設計士、東松さんが念入りに検品してくれましたので、私は鉄材のにおいと溶接の光と音を浴びていただけですが・・・。

昼食をはさんで、午後からは木材の検査です。

松浦建設さんの「倉庫」と言われる、長さ130メートルの巨大な材木置き場にとにかく圧倒されました。金沢城の修復に使われるケヤキの巨木をはじめ、国産ヒノキ、米ヒと呼ばれるアメリカのヒバなど、寺社建築に使われる木材が日本はもとより世界から仕入れられているようでした。「この材料を使い切るのには、100年以上はかかるでしょうね。」と笑いながら言う、松浦社長でした。

そんな巨木だらけの中に、「圓福寺様」と書かれた立札が用意され、柱に使うヒノキが魚市場に並べられたマグロのように並べられていました。確か、圓福寺の建物は鉄骨だったのでは・・・、という方には不思議かもしれませんが、構造は鉄骨ですが、それ以外は木材を多用する設計になっていますと、菅野企画設計の菅野さんが言っていました。というわけで、柱材も結構な本数があるのです。とはいえ、松浦建設さんの倉庫の中では、ほんのちょっとと言わざるを得ません。そのほんの少しを検査するために、巨木を動かしたりしてその場所を用意するだけでも面倒だったんだろうと想像に難くありません。お手数をおかけいたしました。

木材の検品も、設計士の東松さんが、節がどこにあるか、どの材をどこに使うかなど入念に確認してくれました。

倉庫以外にも、加工センター・作業場に分散している木材を見せていただきました。作業場とはいえ、学校の体育館ほどの建物が5~6棟もあり、スケールの大きさに驚かされました。

作業場では、圓福寺の現場を任された棟梁の和田さんにもお会いすることができました。鉄骨づくりではもったいないぐらいのいい材が入っています、との言葉に気をよくさせてもらいました。また、破風板をとる幅1メートル以上ある板材も見せていただき、これを切るのはもったいない・・・木のいのちを使うっていうのはこういうことかと実感させられました。

鉄骨・木材の検査に素人がお邪魔してはどうかと思いましたが、お邪魔させていただき、出来上がる建物に対する気持ちをさらに奥深いものにさせていただき、大変有意義な時間となりました。

菅野企画設計の東松さん、松浦建設の会長さん・社長さんはじめ社員のみなさん、竹内鉄工のみなさん、ありがとうございました。

(C) 2020 臨済宗妙心寺派 大廣山 圓福寺