市原別院日記

カブトムシ掘り

2020年01月22日

 去年の冬に落ち葉を集めておいたのが、立派な腐葉土になりました。

 年少の子どもたちに手伝ってもらって、腐葉土を畑に漉き込みたいと思います。

 まずは、ショベルカーを使って腐葉土を崩します。

 子どもたちは、はたらく車を間近で見ることができて、興味津々。男の子は少し興奮気味です。

 腐葉土を崩したとたんに、中から大きな大きな芋虫が現れました。その大きさからしてカブトムシの幼虫です。子どもたちには「うごかないでーっ。」と言いながら、転がり出てきた幼虫に興奮して、先生が我先にと幼虫を拾いに行きました。「コラーッ。」

 

 ちなみに、ショベルカーのオペレーターは私です。

 ようやく、先生のお許しがでて、カブトムシの幼虫を拾い始めました。

 初めて見る巨大な芋虫にしり込みする子。

 夢中になって幼虫を拾い集める子を遠巻きに見る子。

 幼虫を掌にのせて、怖がる男の子の鼻先に幼虫を差し出す女の子。

 「コワイーッ!」と走り出す子や泣き出す子。

 

 ひとしきり幼虫を拾ったら、もう一度ショベルカーで腐葉土をほぐすと、またまたコロコロと幼虫が出てきて、子どもたちが拾うという繰り返しを何回もして、カブトムシ拾い・・・いえいえ腐葉土を畑にまくためのほぐしの作業が終わりました。

 女の子の両手に3匹、4匹でしょうか、丸々太ったカブトムシの幼虫です。

 全部で一体何匹いたのか、200か、300か?

 この幼虫が成虫になったら、雑木林はカブトムシ王国になるのですが、そんな光景を見たことがありません。代わりに目にするのは、オスのカブトムシのツノや硬い足だけです。どうやら、成虫になったカブトムシたちはカラスや鳥などに食べられてしまっているようです。自然界の食物連鎖というやつです。

 収穫した?幼虫は、希望する子どもたちのおうちに里子に出され、成虫になったら再び森に帰してあげることにしました。

 だいぶ前に、デパートでカブトムシを買ってもらった子が、カブトムシが死んでしまって動かなくなったのを見て、「おかあさん、カブトムシの電池を入れ替てー。」と言ったという話を聞いたことがあります。でも、幼虫拾いをした子どもたちは、カブトムシの命に気づいたはずですから、電池を入れ替えてなんて言うことはないでしょう。

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