市原別院日記

廃瓦で作った雨落ち

2008年05月05日

今の建物は、雨どいがついているので、「雨落ち」を作る必要はありませんが、古いお寺の建物を見慣れているせいか、これがないとどうもしまりがないと思ってしまいます。

そこで、廃瓦のリサイクルで雨落ちを作りました。我ながら、いいアイディアだと悦に入っています。この感じ、そういえば中国の古い建物の瓦の葺き方はこんなだったかもしれません。瓦の間隔を狭めて葺いて、龍のうろこのように見せているんだ、などという説明を聞いたような覚えがあります。屋根にあれば、天に昇る龍のうろこですが、うちのは雨落ちですから、まだ天に昇る前の鯉のうろこぐらいでしょうか。

ただ瓦を並べたように見えますが、結構大変です。縁取りの瓦との目地をどう仕上げたらいいか悩みました。なにしろ技術がないわけですから・・・。結局、犬走り側はセメントを水で溶いた「ノロ」とか「トロ」というものを流し込んでおしまいにし、庭側はモルタルに墨汁を混ぜたものを詰めて、コテで仕上げました。

もう一つ、施工上大事なことは、ベースになる部分です。ここをきちんとレベルを出しておかなければ、きれいな水勾配がとれません。当然見た目もよくありません。

と、苦労した雨落ちでした。

近所のおばさんが、きれいにできたね、そこに水でも流しておくのかいと聞いていきました。それなら、ついでにそうめんも流しましょうか。

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