寺日記

驚異の漢方医術

2020 年 11月 01日

少し前からの腰痛が、玄米30キロを担いだせいで悪化。症状はぎっくり腰と同じで、腰を伸ばしたり、逆に礼拝の時に腰を折ることも無理。

夜中に無意識に寝返りを打とうものなら激痛が走り、シーツを握りしめて苦悶すること数日。

日曜朝のお勤め後の坐禅は到底できずに、私は懈怠すると言ったところ、お参りに来ている方の奥さんの父親が漢方のお医者さんとのこと、しかも腰痛とかが専門。日本に住むお孫さんの大学・高校入学祝に来たところ、コロナ騒ぎで中国に帰国できずに暇にしているから、午後連れてきますとありがたいお言葉。

整骨院に行ったり、鍼灸院に行ったりしていたものの症状の改善はなかったので、わらにもすがる思いで、漢方に身をゆだねることにしました。

漢方のお医者さんというので、亀仙人のようなイメージを想像していたのですが、日本の田舎にも現れそうな普通のおじいさんがやってきました。椅子に坐って、後ろから腰のあたりをもぞもぞと触り始めます。腰痛のツボでも探しているのだろうと思っていたところ、下半身を固定して上体を軽くひねると、「はい、おしまいです。」と、たぶん中国語で言ったのだと思います。通訳してくれる娘さんが、「『もう大丈夫だから歩いてみてください。』と言っています。」というので恐る恐る立ち上がり歩いてみると、痛くもなんともありません。足を高く上げて見たり、腰を曲げても痛みはありません。なんとも、キツネにつままれたような、いえいえおじいさんにつままれたのでした。

お医者さん曰く、「髪の毛ほどの太さの筋がずれていたのをもとに戻しただけですよ。これはレントゲンには映らないからねえ。」だそうです。漢方医塾恐るべしを実感しました。

コロナのおかげで、中国に帰国できずにいた漢方のお医者さんがいたおかげで、私の腰痛は治ったのでした。
写真は一緒に撮ったものです。ありがとうございました。

(C) 2020 臨済宗妙心寺派 大廣山 圓福寺