圓福寺日記

新年に向けて、香炉掃除

2020 年 12月 28日

新年を迎える準備に限らず、「香炉掃除」をしています。

本当は毎日やるもんだと思いますが、そうもいかずに、時々になってしまいます。

でも、新年を迎えるにあたっての香炉掃除は、気持ちが違います。

左は掃除前の香炉。うちのお寺はこれぐらいの数ですが、大きなお寺はもっとたくさんあるんだと思います。

灰を山型に整えてありますが、修行時代に先輩が、山型にするのは灰が少ないからで、灰がいっぱいあればなにも山型にする必要はないんだと教えてくれましたが、真偽のほどはわかりません。

茶道の世界では、灰型教室なるものもあるらしいですが、こんなところから派生していったのでしょうか?

右がきれいになった香炉たちです。

よく、型があるんですかと聞かれますが、とんでもございません。灰をふるいにかけて、トントン、トントンおしりを叩いて少し灰が締まったら、手作りの木のヘラのようなもので回りを少しずつ固めて山型に整えていくのです。てっぺんを平らに仕上げるのに適しているのは、茶筒のふたです。香炉掃除用の道具もあるらしいですが、私はもっぱら木のヘラと茶筒のふたで仕上げています。

山型の周囲に火箸で縞模様をつけるなんていうしゃれたこともしますが、今回はやめました。

小さな香炉の山型を作るのに適しているのは、コンビニでもらうスプーンです。柄の部分で周囲を整え、てっぺんをスプーンの頭部分でそーっとなでるときれいに仕上がります。

これで気持ちよく新年が迎えられます。

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